ポスドク向けIT業界セミナー

なんか聞いていたのと違うなぁと思ったら「就活生向けIT業界セミナー」と「ポスドク向けIT業界セミナー」は違うのか 岡野原さんのブログで告知されていたので,後者にふらっと行ってきてしまった.せっかくなので感想でも書いておこう.

 最初はサイボウズの山本CTOから.アカデミアの人が事業会社に入るとどういった苦労をするのか,というような内容.

 「人を説得しようと思うな,むしろ相談する体で」と(私は理解しました).なるほどなぁ.この話を聞いて橋本治さんの「上司は思いつきでものを言う」を思い出した.私の理解は以下の通り,結論だけ伝えて全てを理解してくれることを期待するのは無理な話で,相手をバカにせず,とはいえバカかもしれない可能性を考慮して接するのが良い.でもって会社での人間関係もこれに尽きる模様.まぁ,論文を執筆するときも同じはずで,読者も査読者も神様じゃないし,執筆内容は執筆者が一番詳しいので,分かりやすく書かなければいけない.と書きながら,この段落は話が飛びまくっているので理解不能かもしれない.

 もう一つは,事業会社はアカデミアの続きではないので,その点を勘違いしないように,とのこと.他の言葉で言うと,明らかに「キャリアチェンジ」なので,それ相応の葛藤とか相違はあるはず.もっと衝撃的だったのは,事業会社に入ったらその会社の流儀でプログラムから上流工程まで経験してもらう,あたりかな.ドクターとしてのコアな専門性は全く必要とされていない現実.

 逆に,ポスドクに期待しているのは,(専門性ではなく)ジェネラルな部分の能力らしい.自分で実験計画を立てたり,必要に応じて深掘りして検討をできること(その必要性があるのかの判断も含めて)など.その分は給料にちゃんと反映してますよ,と.

 2番目はPFIの岡野原さん.最先端の研究を社会に還元する的なお話で,かなりエキサイティング.

 受託開発は自分の手元に何も資産が残らないのでやらない,大量のデータを持つ企業とその分析のお手伝いをするPFIとでwin-winの関係になれる,など.確かにデータを持て余している企業さんはあるだろうし,研究者は実データがなくて何をやっているのかよく分からなくなっているし,納得.

 画像符号化の専門家は居なさそうなので,よければ雇って貰えないかなぁ,と思ったりもしている.ただ,TopCoderとかには全く出入りしていないので,その辺りはかなりハンディキャップがあると思う.高校生時代にSuperConでプログラムできる人との差を見せつけられて,その手の道は半ば諦めているので.その後そこそこ精進はしてますけどね.

 3番目はDeNA能登さん.見たことある雰囲気だなぁと思ったらNTTのCS研出身.あぁ,なる程ね.聞かせてもらうエピソードも教授と近いww 入社して1年目で1000万円の伝票きるとか.DeNAのポジションはウェブ業界で,その中でも高トラヒックを扱っていて,さらに企画もやっているというかなり希有ですよ,というアピールから.

 最後に座談会ということで,直接話を伺った.

 以下,雑感.自分は事業会社もありだと思っていたけど,結構なめていたかも.多分,相当な悪態をついて辞めてしまう可能性が高いので気をつけよう.それと,キャリアチェンジに相当する,というのが結構インパクトあった.いや,まだ実感はつかめていないのだが,多分インパクトのあることだと思う.

 手書きのアンケートを書いていて,なかなかの苦痛.帰宅時に思ったのは,ケータイでどこかに投稿して,そのHashURLを手書きした方が楽じゃないだろうか.……明らかにやりすぎですww