部長という役職

 研究所に配属されてしばらく、よくわからない会議が月一ぐらいで開催されて私も召集されていた。将来の研究テーマを議題としているはずなのにいまいち思考が深くない。簡単に言うと突っ込みどころが満載。ブレストというには人数多すぎだし、時間もそんなにない。

 そのうち部長主催ということがわかった。なんか奥歯に物が挟まったようなコメントが多くて、いったい何なんだろうとなぞが深まる。一方で、大勢の前で発表者を全否定する訳にもいかないし、良さそうなところをがんばって拾い上げようとすれば、会議の方向性が不明瞭になるというジレンマ。議長役も大変だな。

 所長とか副所長クラスになると、ダメなものはダメとばっさり切っている印象がある。まぁ、会議の種類によるのかもしれない。

 そのうち、トップ(社長)が替わることへの布石だということに気がついた。すでに私が配属されたときには社長交代が世間に発表されていた。部長も今までと違う行動を起こし、議論をして部内の方向性を合わせ、新社長に部の存在を示す or 不要扱いされないようにする。そういうような思惑がありそうということを感じた。勘違いかもしれないけど。

 社長が替われば、部長の意識も変わり、現場も変わっていく。これが組織かぁと実感したのでした。