NTTはいかに巨大か

 昨日長文のブログを書いたのですが,ブラウザのクラッシュと共に消え去りました.というわけで,短くまとめてみます(全然短くなってなかった).


 これは2009年3月末の,営業収益を比較したグラフです.細かいエクスキューズは後に置いて,ざっくり言えること.

 NTTが12.5兆円に対して,KDDIは3.6兆円,その比10:3.

 セクション別で見ると,NTT固定通信+SIer:NTT移動通信:KDDI固定通信:KDDI移動通信は6:5:1:3ぐらいです.DoCoMoauの契約数とほぼ比例しているのが,移動通信の営業収益で,5:3ぐらいになります.NTT東西が担っているいわゆる電話や長距離,国際電話,さらにNTT Comm的なSIerと,これに対応するKDDI固定通信は6:1ぐらいになっているようです.ラストワンマイル強し!という感じです.

 細かいエクスキューズを,だらだらと.決算短信のセクション別の営業収益を抜いてきました.NTTはセクション間取引が除外されていないので,少し水増しされています.でもまぁ態勢に影響ないので,無視しています,KDDIはセクション間取引が除外されています.

 これらは全部連結決算の数字です.NTTは連結で見ないと実態が分からない一方で,KDDIは連結の寄与がほとんど無いので本体だけでも十分かも.しかし,企業会計には詳しくないので,とんちんかんなことを言っているかもしれません.

 NTTの持株は,えらい収益を上げていることになっています.KDDIはその部分も個別セクションに分かれているせいか,よく分かりません.ちなみに,NTTの研究所は持株に含まれますが,KDDIの研究所は別企業です.

 NTTのその他は不動産・ビル開発とからしいです.これだけでも1兆円の営業収益とか,意味わかんね.まぁ,ビルとか都市開発とかやってたような.そもそも交換局を作るのにそういうセクションも必要ですよね.KDDIのその他はほとんど無いです.これも割り振りの問題ですかね.鉄塔を建てたりデータセンター作ったりそれなりにビル開発とか必要だろうに.

 NTTのデータ通信というのは,いわゆるNTT DATAのことです.ここでも1兆円ほど営業収益を上げていますが,官公庁や金融といった特殊な業界のSIerのようです.KDDIにはなさそうな感じですね.まぁ官営企業の名残ですかね.

 NTTの長距離にはいわゆるSIerが入ると思われます.もちろん東西にもあるとは思いますが,そういうわけで,先ほど固定通信+SIerとしました.この部門は巨大ですねぇ.

 NTTは,固定と携帯で大部分の営業収益を上げている,ということがよく分かりました.それでもかろうじて固定通信の方が移動通信よりも大きいという印象です.

 KDDIはケーブルテレビ等を買収して固定通信を伸ばしてきましたが,それでもNTTに比べると1/6という規模.競争するにも,どこか根本的に不釣り合いですね.NTT Comm.にも劣るのか.

 KDDIの移動通信はそこそこがんばっていたようです(過去形),が,これからどうするんですかねぇ.携帯の話はまた追って書きたいと思います.

 というわけで,営業収益ベースで比較してみました.今度は,社員数も加味して比較してみたいと思っています.

 決算短信にしても事業報告書にしても,分類が恣意的でなかなかすんなりと比較できないのが曲者でした.あと,NTTはIP系と非IP系で分けて,非IP系だけ音声通信とデータ通信を分けているという不可解さ.いや,やりたいことは分かるんですけど,他社と比較しにくいのですよ.でも固定と移動の融合とか始まったら,そもそも事業セクションを分けること自体難しいし,無意味になってしまうのかも.結局,NTT再編の話に収束していくのかもしれません.