CEATEC2006

横浜から幕張は遠い.幕張から西船橋経由の早稲田も遠い(東京経由にするべきだった).

画像処理研究者的な観点から見た総評としては,日立製作所の研究部門はかなり頑張っていた.情報大航海のシャープも期待できる.

フレーム補間

フレーム補間の効果は顕著な模様.日立製作所では60iを120pにフレーム補間していた.ただし,動きベクトルは画面に対して1本.かなり目を凝らしてみたんだが,誤補間は確認できない.かなりゆったりとした動きだったので生じにくいんだとは思う.

ブロック単位の補間はされていないようだが,計算量の問題だけかな.(今後研究するとしたら)技術的な新規性がよく分からない.

超解像拡大

2枚の画像を使って,動きを正確に捉えて,超解像によりSDをHDに拡大していた.シャープだったと思う.自然画像ではほとんど効果を確認できない気がする.もうちょっと離れて見れば変わるかも.テストチャートで見たいたところ,どうも斜め45度の線がフリッカを生じていた.説明員の人によると,縦横でそれぞれ超解像を適用しているので,45度の線はうまくいってないとのこと.当然ながら,動いていないとダメなので,静止画像ではムリ.

コンテンツ検索

EPGありきでジャンルのメタデータ付けるのは当たり前.その後のUIがネックになっている.ローレベルメタデータボトムアップからUIに変革が起きるのか,UIありきで必要なメタデータを抽出するのか.まだ誰も答えを持っていない.各社挑戦中.

顔画像検出

オムロンすごい.非常の高精度,高速,頑健な検出をしていた.いまどき肌色検出なんて使いませんよ,てな感じで説明員も強気.なんにも教えてもらえなかった(当たり前).グレースケール画像でデモしていた.数分に1回ぐらい誤検出をしていた.背景が顔の大きさになったぐらいのタイミングだった(あー,ここで誤検出するなぁ,というのがだんだん判るぐらいの規則性)があるので,形状をキーにしていると思われる.まぁ,特許探しに行けばだいたい分かるだろうけどね.

電子ペーパー

富士通のはでかい.カラーだけど1024階調なので,ちょっと階調が低いのかな.発色もそんなに良くなかったので,写真鑑賞とかは難しいかも(日本人は要求高すぎ).松下の電子書籍端末はとても色がキレイだった.あれなら写真の鑑賞も十分.ただ,曲げられないし,小さいし.皆さん,ベクターグラフィックス導入して!

CELL

なんか展示しているなぁ,程度.あんなチップを単独で買ってくることもないだろうし,PS3の仕様が公開されることの方が重要かな.

AVC/H.264

各社デコーダのチップを展示してた.先日のNTTの研究のように,今後1年ぐらいでさらに飛躍的に画質が向上していくのではないかな,と思った.いまはどこも,とりあえずデコードが出来るだけ,って状態なのかな.エンコーダを手がけているところは少なそうだ.

日経エレクトロニクス

電子産業35年の軌跡をもらってきた.

走査方法を組み合わせた動画像符号化

九州の早稲田でそんな研究がされていたらしい.説明員が素人っぽくて,さっぱり性能がつかめない.イントラ符号化しかしていないのに,H.264より高性能と謳っているし.ま,オールイントラ符号化で比較したときだと思うけどね.JPEG2000と同程度というのも,ホントかなぁ.RD曲線で示してもらえないと,どうも信憑性に欠ける.ちなみに,JPEG2000H.264のイントラ符号化はほとんど同じぐらいの符号化性能.周波数変換を行っていないらしい.「鎌田清一郎」教授で文献を探せば出てくる(きた).ほとんど読んでないのだが,ロスレスならそりゃ勝てるかもねー,とか.走査方法を組み合わせるなら,PNGを最適化したときと是非比較して欲しいね.PNGの最適化は結構やるぜ(エントロピー符号化はZIPにまるなげだけどね).